たった一人の親友へ
そろそろ退院も近づいた日


隆也が病室に来た


「よっ!
元気でてきたか?」


「うん。
心配かけてごめんね」


「翔のことは?
もう大丈夫?」


「………。」


「忘れられるはずないもんな。
でもあんまり自分を責めるなよ」


「うん、ありがと」




隆也は最近


あたしにかなり気を使ってるのが


目に見えて分かる


そうだよね


こんな女


扱いにくいもんね


そうやって自分を追い込んで


無理に明るく振る舞った


笑っていれば立ち直ったと思ってくれる


みんなに嫌な思いをさせなくてすむ


こんな風にね

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