たった一人の親友へ
その日の夜
あたしは珍しく自分から隆也に電話をかけた

「さな?めずらしいじゃん。どうしたの?」

無邪気に喜ぶ隆也にあたしは何だか泣きそうになった


隆也が高校生になって今までより簡単には会えなくなってしまったけれど、毎晩こうやって電話をすることが日課

「隆也はさぁ、あたしと翔のことどう思う?」


「え…」


長い長い沈黙だった
永遠に続く気がして怖かった


「どうって?」
かすれた声でそう聞く隆也


「別に、なんとなく」



また長い沈黙
そして彼は話し始めた

「俺は…別にいいと思うよ。俺だって仲良い女友達はいるし。」


そんな感じだったと思う

あたしは隆也の言葉に馬鹿みたいに安心して


彼の本当の気持ちに気付いてあげられなかった



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