たった一人の親友へ
その頃のあたしはどうしようもなく寂しくて


他人に対してクールな冷たい自分を気取って


弱いくせに虚勢ばっかりはって


毎日生きることに必死だった



そんな殻にこもりっぱなしのあたしに手を差し延べてくれたのは


他でもない翔だったのに



それなのに当時のあたしに翔の冗談は重荷でしかなくて


今までの自分の生き方を否定されたみたいで


翔といると辛かった


だから避けたし、ひどいことも言った



だって恐かったの


翔はずかずかと無神経に人の心の中に入って来て


全部あたしの心の中見透かされそうで


汚くて卑しいあたしの本音を知ったらあなたは軽蔑するでしょ?


分かってるよ


あたしが強くもなんともないことなんて


分かってるからほっといてよ



こんな自分情けなくてみっともなくて


全部翔のせいにして自分は楽になろうとした


最低なあたしの過去



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