たった一人の親友へ
卒業式当日

保護者席にあたしの親の姿はない

分かってたけど

やっぱり悲しい


そんなあたしの気持ちを察したのか和歌子が

「今日うちに泊まりに来ない?」って言ってくれた


ありがとう

和歌子は初めて出来た女友達

卒業してもずっと仲良くしてね



思い返すと

辛い思い出より楽しかった思い出の方が多くて

この中学に来て本当に良かった

この三年間であたしはかけがえのないものを得ることができました


和歌子


けんた


そして











あたしね

三人に会えて本当に良かった

幸せものだなってつくづく思える


高校生になっても

時々集まってあの裏庭でお昼食べようね

図書館で鬼ごっこしたり


校庭で本気のカケッコしたり


教室で何時間も話したり


全てが楽しかった過去の思い出

もうそんなこと出来ないけど

あたしはこの日々を決して忘れません



さようなら





私の中学時代




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