たった一人の親友へ

優しさ

翔の都合なんて無視してかけた電話

それでも翔は何の文句も言わずに来てくれて


「どうした?」って


あたしの大好きな笑顔で聞いてくれる

そしてあたしをぎゅって抱きしめて

頭を優しく撫でてくれる



「友香が・・・友香があたしのせいで
入院したの。
あたし・・・今頃になって後悔して・・・
最悪・・・」



「…さな。
ほら顔あげて」


涙でいっぱいの顔をあげると
そこには翔の優しい笑顔があった


「それは違うよ。
ありきたりな言葉かもしれないけどさなのせいじゃない。
お前だって辛い思いしてきたんだから。」



「でも・・・」



「でもじゃない。
後悔してんだろ?
だったらこれからのこと考えろ。
過去のことでぐじぐじしてたって何も変わんないじゃん。
未来のことでもっと悩めよ。
なっ?」




「翔・・・」




帰り道
翔はあたしの手を握ってくれて



その温かさに
また涙しそうだった




ほら。
また好きになっちゃった



翔の行動一つ一つが


あたしを捕らえて離さない


大好きだよ






これからもずっと


あたしの傍にいて下さい





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