たった一人の親友へ
その日一週間ぶりに翔と電話で話した

あたしが夏のことやクラスの男子のことを報告してると


「何かその男たち軽くない?大丈夫?」
なんて言ってくれて

「さなはさぁ、単純だからすぐ騙されそうなんだよなぁ。
本当心配。
てか俺さなの高校に編入しよっかな~」



そんな嬉しいこと言わないでよ


翔は簡単にそんなこと言えるかもしれないけど


あたしにとって
その言葉はすごく大切なものになるんだよ



「あっ!そうそう。俺のクラスにめっちゃ可愛い子がいてさ〜
本当ドストライク。
でもあんま男に興味なさそうなんだよねー。
まぁ逆にそれがそそるんだけど」


「・・へぇ。
やったじゃん!頑張りなよー!」




何だろう。
胸がきりきりと痛んで、何だか無償に泣きそうだった


また翔にあたしより大切な人が出来る


辛い


苦しい


でも今の関係まで壊れたら


あたし本当に生きていけなくなっちゃうから



我慢するの。


翔を好きだっていう気持ち


絶対に誰にも打ち明けないから



だから

ずっとあたしの一番の親友でいてね、と


そっと心の中で願うんだ




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