男子と女子
姫条くん
久しぶりに姫条くんが学校に来た


姫条くんの席は窓際から3列目の前から3番目で
その斜め後ろにわたしの席がある

ここから姫条くんの背中は丸見えである




「おはよう」


…と思わず言ってしまった

姫条くんとはそんなに話したことないのに
ていうかほとんど学校こないし!
なんか怖いし!
顔はキレイだけど気取ってるし!

と、悶々としていると
姫条くんは無言でサッサと自分の席に座ってしまった




スカしてんなー


ちょっとムッとしながら頬杖をつく
そのまま姫条くんの背中を見つめる

キャシャなくせに広い広い背中
ちょっと襟足の長い髪の毛が見える
あ、糸くず付いてるわ

なんとなくニヤける






とかなんとかやってるうちに授業開始のチャイムがなった
わたしはとりあえず教科書とノートを机に広げ
そのまま眠りについた



***



窓の外を見ると夕焼けがキレイだった
カラッポのカバンに漫画本と化粧ポーチを放り込み
下駄箱へ向かった



姫条くんがぽつんと立っていた




どうしたの?

と尋ねようとしたら

たった一言


「じゃあな」


それだけ言うと
姫条くんはくるりと背中を見せて帰ってしまった



ヤバイ
顔のニヤけがとまらない






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