今なら言えるο


あの日から6日が経つ。

今日もまた、薫とメール。

最近あたしは、薫とのメールを
純粋に楽しめなくなっていた。

ちょっと返信の時間をあけるだけで
―何してるん??

ご飯だから返事遅れると言えば
―終わったらメールしてな?

お風呂の時も同様に
―上がったらメールな?

はっきり言って苦痛だったし怖かった。

自由が無くなったみたいで。

だから、翌日あたしは、
彼氏が出来たからと嘘を吐き、
薫とのメールをやめた。

でもなぜかアドレスは消せなかった...

確かに怖かった。

でもやっぱり、
楽しい時間も確実にあったから。

薫はやさしくて、
お兄ちゃんみたいで。

だから、完全に存在を消してしまうことが
出来なかったんだと思う。

ごめんなさい。
嘘吐いてごめんなさい。

怖かったんだ。すごく。

でも薫...??
楽しい時間も、確かにあったよ。

短い間だったけど
本当にありがとう。

< 4 / 10 >

この作品をシェア

pagetop