リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『純愛』・3
彼は高校三年になってから、受け持った生徒。

二年の頃までは明るくはしゃいでいたイメージがあったけれど、三年になってからは真面目になった。

成績もあたしが担当している数学を筆頭に上がったし、めんどくさい役員とかも引き受けてくれた。

だから先生達の間では、評判の良い生徒なんだけど…。

「まだ就職か進学か決まっていない?」

「…いえ、そういうワケでも」

…あたしの目を見ないようにしながら言われてもなぁ。

「えっと、とりあえず二年の時に出してもらった調査書に合った大学のパンフをいくつか持ってきたの。良かったら目を通すだけ、通して見て」

と、教頭先生から押し付けられた大量のパンフを入れた封筒を机に乗せて、ずずいっと押す。

「はっはい」

あまりの多さに、目を丸くするよね?

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