王国ファンタジア【雷電の民】−ドラゴン討伐編−

そんな会話を交わしながら、二人は広間に向かって歩いていた。相変わらずクラウンは首の裏に手を当てて、眉間にシワを寄せている。バシラスはそんな彼女を気に掛けつつも、彼女がもう何も言う気がないのを見てとりそのままにしている。

と、バシラスが急に足を止めた。

「セラチア!」

行く手からふらふらと歩いてきた人物にバシラスは声を掛けた。心ここに在らずといった体で歩いていたその人物はぼんやりとこちらを見た。虚ろだった瞳に光が宿り、次いで焦点がバシラスに定められた。

「ああ…バシラス…。これから広間に行くのかい?」

ふっとバシラスの背後の己に向けられた視線にクラウンは目礼を返す。

「ああ。雷電の民をお連れするところだ。しかし、お前はちゃんとは休息をとっているのか?いくら王都の守りに力を使っているとは言え、今お前が戦線を離脱するようなことになれば…」

「相変わらずだね…。ご心配なく。これでもちゃんと休息は取っていますから」

と立ち話を始めたバシラスの服をちょいちょいとクラウンは引いた。





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