僕は君のもの



感情を隠す様に美紀は近くにあったフリーペーパーをとった。



「花火大会特集だって。へ~。いろんな所でやってるよ!」



美紀の手元を直ちゃんが覗き込んだ。


うぅ。近いなぁ。



「あっ。この日なら行けそう。確か次の日休みだわ。」



直ちゃんが紙面を指差す。


ここってヤマのお家に近いところだよね。



「美紀ちゃん一緒に行く?」



“恒例”って書いてあるけど美紀、全然知らなかったなぁ。


…って今なんて言った?



「美紀ちゃん?用事でも入ってた?」



えぇ!?やっぱり美紀誘われてる!?


直ちゃんと花火大会!?



「二人で…?」



「うん。それか先輩たちも誘う?」



余計なことしちゃダメ!!



「行く!直ちゃんと二人で!!」




恵梨香のことはすっかり頭から抜けていた。






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