先輩(仮)




準備室の端で体操座りしている彼女に声をかけた


「こんなところでなにやってるの?」


その声にビックリしたのか、彼女の身体が跳ねた気がした



「あ、あの…お久しぶりです」


「うん、そうだね、半年ぶりくらいかな?で、加納はなにやってるの?」


質問に答えない彼女にもう一度同じ質問をする


「えーっと、それは…」



口ごもりなかなか答えが聞けない


まさかとは思うけど、避けられてるなんてことはないよな?



「もしかして俺のこと避けてる?」


半信半疑で彼女に問いかける



そして、それを肯定するかのようにまた彼女の身体が跳ねた


避けられてると思ったら悲しいってよりも、ちょっと苛立ちがあった


「なんで?俺なんかしたっけ?」


そのせいかちょっと怒鳴り気味になってしまう


だからなのか彼女は何も答えてくれなくて、怯えていた気もする




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