先輩(仮)


中3まではガッツリ仕事をしていたけど、高校に入る少し前くらいから仕事を減らしていた。


でも事務所側としてもちゃんと仕事に復帰してほしいということだったので、部活が終わった夏くらいからまた始めることになった。


それにしてもこの忙しさはヤバい…。



冬休みにある旅行がまだいつ行くか決まっていなくて、いつでも行けるように空けておくためスケジュールを調整したらこんなことになってしまった。


「鬼頭さん名前の如く鬼だわ…。」



ほんとに小さく呟いただけなのに


「何か言ったかな?ユリさん?」

なんて目の奥が冷たいままの笑顔で問いかけてくる


「な、何も言ってませんよ!やだなー鬼頭さんたらー!」


「文句言ってないでしっかり働け!」


働いてるじゃん!
最近忙しくなったせいで朝の新聞配達と牛乳配達辞めちゃったんだからね!
モデルで稼いだお金には手を付けたくなくて始めたバイトだった。
とゆうより、こっちのお金をあの人に取られたくなくて始めたバイトかな。


でも、モデルの仕事は楽しいから好き、だから鬼頭さんにも感謝してるのよ?


「お前ちゃんと食ってるのか?さっきもお昼全然食ってなかったろ?」

「いやー、お昼食べる前に差し入れでもらったお菓子いっぱい食べたから食べれなくてー…、でも家では食べてるよ?」


言っても1人前も食べてはないけど…


「体調管理も仕事の内だぞ?ちゃんと食べろよ?」


「はーい」


…食べれないんだもん仕方ないじゃん



それでもいつかのヤブ医者が暇人なのか毎日のように連絡をしてきては、今日は何食べただの食べるものの写メを送れだの言うから3食は食べるようになった。


おかげで3キロ太ったくらいよ…。













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