秘密の★オトナのお勉強②



突然、さっきの声色とはまったく違う猛の声が聞こえてきた。


あまりにも真剣な声に、あたしは身体中を強張らせる。




「みんなに会って一緒にご飯でも食べて、近況について語り合いたかった。そんな些細な理由でもダメ?」



「猛…」



「俺は光輝くんが居なくなってから、正直言って心細かった」




…初めて聞いた、猛の本音。


本当は猛、寂しかったんだ。

気軽に話せる相手を失って、心細かったんだ。




「でもそんな時、姉ちゃんのお陰で、蘭さんや冬馬さん、隼人さんと知り合える事が出来たんだ。俺にとって大事な人達と一緒に過ごす事は、いけない事か?」



「猛…」




そんな事を考えていてくれているなんて、思ってもみなかった。


何年経っても、やっぱり猛は猛。


人を思いやる気持ちは、変わってないんだね。




.
< 15 / 412 >

この作品をシェア

pagetop