愛しい君へ


ベッドに倒れ込む。
逢いに行けって言ったって龍哉居ないぢゃん。
何処に行けば龍哉に逢えるわけ?
何処にも龍哉が居ない。
もう龍哉の声を忘れかけてる。
龍哉の温もりが分からない。
何処にもない、龍哉の温もりを探し続けてる。
自分でも気付いてる。
受け入れ始めてる。
龍哉は居ないって。
その日はそのまま眠りに着く。

朝、早くに目が覚めた。
そしてお気に入りの服を着て玄関へ向かう。
「梨李、ご飯ど-する?」
キッチンヵら唯兄の声がする。
結城兄ちゃんはきっとバイト行ってるだろう。
「要らない。すぐ帰るよ。行ってくる」
「行ってらっしゃい!気をつけてな!」
あたしは外へ飛び出る。

朝の太陽を浴びる。
途中の花屋で花を買う。
そしてある人の元へ向かう。
ただ一人。
あたしがとても逢いたい人だった。

「見つけた・・」
一つの石碑を見つける。
あっさり見つかった。
周りにはたくさんの花が咲いている。
きっと寂しくないね、龍哉・・・。
石碑にはたった一文字の『龍』だけだった。
きっと奈津さんがあたしのために無理を言ってつけてもらったんだろう。
あたしがいつも来てもいいように。

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