きいろいアヒル
8・Arising feelings
その次の日。



そのまま胸ポッケにアヒルちゃんの顔を出したまま、学校へ行った。



何だか、愛着が湧いてきちゃった。



そのうち、名前でもつけてあげようかな、と思っていた。



朝の教室は、人影もまばらだった。



クラスの三分の一くらいの生徒しかいなかった。



「おはよー、香田さん」



ちょうど、教室を出て行こうとする花村さんと軽くぶつかりそうになった。



「おはよ」
 


私も笑顔で挨拶を交わした。



すると。



花村さんの視線は、私の胸元へ。



“おやっ?”というような表情で、私とアヒルちゃんとを交互に見比べている。


なんだろ。
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