大空の唄



「まさか、あたしが、地味メガネ、と?」

「だから…誰が地味メガネだよ…」



あたし、が、地味メガネ、と?



えー!?



聞き間違いであってほしい
あたしの勘違いであってほしい



助けを求めるように梨華さんを見るとニコッと微笑む梨華さんは



「仲良く、がんばってね?」



仲良くを強調してあたしと地味メガネの肩を同時にポンッと叩いた


そんな……



「嫌です!」
「嫌だ!」



2人の声が重なりハッとして視線を地味メガネに向けると目があった



あたしたちの間にバチバチと火花が飛ぶ


「もー息もピッタリじゃない

じゃあもう開店だから」


「はっ!?ふざけんなよ…」



梨華さんは何か言いたげな地味メガネをロッカールームへ押し込むと


「仲良く、ね?」


再び笑顔で念を押した


「はい…」


納得した訳ではなかったけど、恐らく誰も逆らうことの出来ない絶対的な権限を持つその笑顔に逆らう事など出来なかった


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