大空の唄
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今日の仕事が終わり
3人で翔の部屋に集まる


晩酌をしながらさっきコンビニで買ったスナック菓子を頬張る


「ねぇ、空…」


酎ハイが注がれたグラスを
ゆっくりとテーブルに置き
妙に神妙な顔をした陽と目が会う


グラスとテーブルが合わさって
カタンと小さな音が立つ


グラスの中でゆらゆらと水面を揺らす薄いピンク色の液体


その液体からはプツプツと小さな無数の泡が浮いては消えている


「何?」


視線は合わさずにそう言った


普段から人と目を合わせる
ことは得意ではないけど
何か深刻そうな目をした人とは
余計目を合わせられない


「空さえ良いなら俺らはカミングアウトしてもいいよ」


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