大空の唄


しかし俺がここを曲を作る場所として選ぶことは
決して珍しいことではない


ここだと歌詞とメロディーを連動させやすい


というのも、その理由の一つである


いろいろと機材もそろっているので
よりリアルな音を聞くことができる


でも、それだけじゃあない


それだけじゃないんだけど…


言葉にしようとすれば上手くまとまらない


何というか、この空間がこの空気が


高速に流れる音の感覚が好きなんだ


ここにいると頭の中でごく自然にメロディーと歌詞が連動される


それに、曲を作るときは何も入らなくなる


邪魔な音も、邪魔な景色も、邪魔な感情も…


なのに今日は、いや、ここ最近は何かがおかしい


「邪念があるんじゃない?」


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