大空の唄


頬を赤らめる絢音を俺はたまらず抱きしめた


もう、コイツには叶わない


「蒼空のバカ」


「バカはお前だろ」


どうして、俺をこんなに乱すんだ


空は満天の星空、静かなホームに響く電車の音


「行くぞ」


大切なもの何て何もなかった


守りたいもの何てどこにもなかった


そんな俺に大切なものが出来た


俺は、絢音を守りたい


疲れたのか、電車に揺られすやすや眠る絢音


俺は電車から見える空を仰いだ


なぁ、絢音。


俺のこの声が枯れてしまうその日まで


隣で俺の歌を聴いて欲しい


そしたら俺は、もっともっと強くなれる



そんな気がするから



「愛してる」


俺は眠る絢音に、小さな声でそう囁いた





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