大空の唄




「いやー何かごめんね
ご一緒させてもらっちゃって〜」

思わぬ出来事にハイテンションなあたしは


「気にしないで!!
大人数の方が楽しいし」


蒼空の追跡を放り出しさっき入り口で会った2人とスタジオ内に入っていた


1人だと心細いのに誰かが居るとすんなりと中に入ることが出来た


1人は色白で長めのボブの美來(ミク)ちゃん、もう1人は同じく色白で高めのお団子をした幸華(ユキカ)ちゃん



今日はさっきから会話に出てきていた"Love&Music"


通称"Love Music"と言う大人気の音楽番組の撮影があるらしい



Love Musicは毎週 人気沸騰中のアーティストが多数出演することで人気を呼んでいる



もちろんあたしも大好きな番組



本当は前売り券がないと入れないんだけど…


バイトで来れなくなった友達の分があるらしくて譲ってくれた



そして…今日は何といっても…



「それにしても2人も"SONG OF SKY"のファンだったなんて、何か運命感じちゃうな」



「あはは〜運命って、絢音ちゃんうける!!」



大好きなSONG OF SKYが出演する


「絢音ちゃんは誰のファンなの?」



さっき初めて会った二人なのにSONG OF SKYの事ですっかり意気投合したあたしたち



「あたしは、空!!!

もーあの歌声は神だよ」



「分かる分かる!!
でもあたしは1番は翔かな〜
あのクールなかんじがカッコイイ」


と美來ちゃん


「ぢゃあみんな目当ては違うってことだね!!


あたしは陽ファンだから♪」


と幸華ちゃん


きっと客観的に見たあたしたちは異様なまでに目を輝かせキャーキャーうるさいのだろう


頭の片隅に"蒼空追跡"を気にかけながらも


蒼空探しは後でいっか〜


と、"蒼空"よりも"空"に会いたい思いに負けてあたしは軽い足取りでスタジオ内を進んでいった

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