やっぱり、すき



「ねねっ、名前なに?」


前に座ってた女の子が後ろをふりむき、
笑顔であたしの目をのぞきこんできた。



ドキッと心臓が飛び上がった。



「あ…あたし、片岡ひな」



なんか……本名言うの変な気がする。
もっと自然に仲良くなる方法ないのかしら。



「ひなちゃんね!あたしは近藤ユカ。北中だったんだけど…分かる?」

「北中?分かる分かる!北中の新井君、あたしの中学でも有名だったよ」

「えっ、竜斗知ってるの?」

「うん。かっこよくて有名じゃん。みんなかっこいいって言ってたよ~」

「へぇ……。ひなちゃんはどこ中?」

「岩崎中だよっ」

「あ、結構近いね!アド交換しよぉ」



そう言ってピンクのかわいらしい携帯をとりだした。


ユカ性格良さそうだし、よかったよかった。
とりあえず脱!一人だ。



アド交換を終えて丁度、担任の先生がやってきた。気がつくとさっきまでちょっとしかクラスの人いなかったのにもう全員集まった感じだった。



わわっ
今日からこの人たちと授業も行事もやるんだ……。



「はいはい席着けー。なんだもうみんな仲良しになっかんか?とりあえず一時間目は自己紹介から始める」



え~、というみんなの声が揃う。
中学の時と比べてみんな明るい気がする。中学の最初なんてみんなしらけてたし。

< 2 / 4 >

この作品をシェア

pagetop