sweet lovers A
「周藤先輩は人気あり過ぎて近づけないよ……」

 2年3組。周藤成都。
 放送部に所属。

 顔も良ければ声も良い。
 将来は声優志望だとかそうじゃないとか。

 放送部が行う「お昼の放送」で、先輩は火曜日を担当している。
 そしてその火曜日は、女の子の出席率が格段に上がる日でもある……とか。

 そう。
 周藤先輩は、いわば学校内のアイドルみたいな存在なんだもん。
 あたしみたいなただのファンが近付けるハズもない。

 あーあ。
 せめて同じ学年だったらな……。

 2年生の教室なんて怖くて行けないし。
 学食は男子達でいっぱいだし。

 そんな中から先輩を見つけるなんて無理!
 それに、先輩が学食に行ってるかどうかも分からないし。

 いっそのこと放送部に入れば良かったかな。
 でも、周藤先輩目当てで入部した子はみんな退部させられてる、って友達に聞いたし。

 それ以前に、男の子にチョコなんてあげたことないんだもん。
 あたしには、絶対無理に決まってる。
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