ー雪女郎ー 雪洞と凪
第四夜
「すまぬ。・・・御前に嫌みのようなことを言って・・・・・・」









夕方になり、月が出てきた。








美しい庭園の先で、二人は肩を寄せ合い話していた。









「いいんですよ。本当のことですから。」









「昨日もいったとおり、あたくしはあそこでの生活を誇りに思ってますもの。」









そのとき、奥女中がやってきた。








「奥様。・・・秋田様の姫、お涼様が訪ねておいでになりました。」








凪と実秋は、ピクリと反応した。







「誰と?」








「それが・・・屋敷を抜け出してきたようで。」









「すぐに通しなさい。」
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