ー雪女郎ー 雪洞と凪
第六夜
何とも早いこと。









もう、翌日の暮れとなっていた。








男装をして歩くお涼の心臓は早鐘を打ってた。








昼間に、一度屋敷に戻った。








しかし、父は出かけていていなく、母もお涼が出かけたことさえ知らなかった。








女中達の母に対する気遣いは嬉しかったが、なんとなく寂しいような気もした。









そして・・・ゆっくりと角を曲がったのだ。








お涼は、静かに大門へと足を進めていった。










「後戻りは・・・できないんだ。」







そう自分に・・・言い聞かせて。
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