ー雪女郎ー 雪洞と凪
「叔母上様、今のお方は?」







お涼は、凪を見上げた。







凪の口元は、静かに優しい微笑を示していた。








「想い人。」








「おもい、びと?」










凪は、優しい微笑で空を見上げた。









「ねぇ、お涼。人って・・・強くなんかないんですよ。」









「それでも・・・こうして生きている。」








「きっと、想い人がいるから。想ってくれている人が、必ずこの空の下にいる。だから、人は強くなれる。」










「貴方も気がついていないだけで・・・本当はいるのよ。」
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