年上のイジワル彼氏


  「うん。それは恋だね」

 昼休み。

 友香が言った。

  「やっぱそうなのかなぁ~。

   うぅ、なんか恥ずかしいよぉ」

 あたしは頭をかかえて机につっぷす。

 友香に昨日のことを話すと、恋だと言われた。

 また話したくて、かっこいいなって思って、ドキドキした、

 っていうだけで、恋なの?

 ・・・うーん、よく分からない。

  「しっかし、恋した相手が譲英館の生徒って。

   ウケルね」

 友香がケラケラと笑う。

  「もぉっ!ウケるとかどーのこーのじゃなくてっ」

  「まぁ頑張りなよ。天然が意外とウケたりして」

 天然・・・かぁ。

 でも、川に自転車といっしょに落ちるっていうあたし史上最強の

 失敗談を披露しちゃったしな。

 川におちる女ってどーよ!?


  「うぅ・・・やっぱり恥ずかしい」

 顔を手でおおう。

 火照った顔にひんやりとした手が気持ちよかった。

 

 
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