傷だらけの僕等
彼女の顔はきょとんとしていた。

「外見を変えたら怖くないだろ?」

「え?」

「だから、お父さんとか、その彬ってやつが知らないような外見になれば外に出るのに何の恐怖も無くなるだろ?」

「だって外見を変えるなんてそんな簡単に…」

「あいつなら多分結構あっさりやってくれると思うんだけどな。」


* * *

10分くらいして、俺の部屋のインターホンが鳴った。
あいつ本気出して来たな。


「ちょっと待ってて。
多分大荷物だから、迎えに行くわ。」

予想は的中した。
ものすごい大きさのメイクボックスに、アクセサリーも箱に入ってる。

「迎えに来るなんて気が利くじゃない。」

「お褒めに与りまして。」

「ていうか全部持ってよね。
ここまであたし持ってきて腕が死にそうなんだから。」

「はいはい。」


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