傷だらけの僕等
* * *

先生が帰ってきても、あたしの頭はどこか上の空だった。


「おい…?どうした?」


あたしの様子が変なことに先生は気付いて、そう言った。


「ううん。ちょっとぼーっとしてただけ。」

あたしはそう言って返す。


バスルームに向かい、鏡に映った裸の自分を見る。


「こんなに…綺麗になったのに。
また…戻る…んだね。あたし。」


涙が流れた。たった一筋だけ。


あたしの体にこんなに傷がないのはきっと今日までだと思った。


あたしは自分の体をきゅっと抱きしめる。


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