傷だらけの僕等

想うのはたった一人

【Risako side】

あたしがあいつに指定されたホテルに着いたのは夕方だった。

あいつは有難いことに時間を指定しなかった。

今日中に着けば問題ない。


別に何か用事があるわけじゃなかった。

でもホテルにすぐ行こうとは思わなかった。

あいつだって夜にしかどうせ来ないし。



何度も何度も

先生の部屋に戻りそうになるのを必死で堪えた。

戻ることは出来ない。

もう決して

先生に会うことなんてない。



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