傷だらけの僕等
『じゃああたし、何もしないでここにいてもいいの?』

「ああ。」

即答していた。
俺が即答したことに対して、彼女は俺が思っている以上に驚いたようだった。

『あんた、何考えてるの?』

「何考えてんだろうな?自分でもよく分かんないよ、正直。
だけど今、君を放っておけない。
…まずは怪我と風邪を治すことが最優先だろ?
君の怪我が治るまで、とにかくここにいろよ。」


俺もはっきりとこの先のことを考えてるわけじゃなかった。
とにかく『治るまでは』目を離せない。
そんな義務感から彼女を家に置いているのか、
それとも何か別の理由があるのか…。
このときはまだはっきり分かっていなかった。


どうして彼女を放っておけなかったのか…
その理由に俺はまだ気付いていない。

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