傷だらけの僕等
こんなに心臓がうるさいキスは初めてだった。

初めてのキスってわけじゃない。

それなりに恋愛経験だって積んできた。

だけど…

彼女はやっぱり「特別」だった。



唇を離すと、彼女はまた少し潤んだ瞳で見つめてきた。


「先生だって…顔赤いし。」

「黙ってろ。」


俺は照れた自分を隠すために、彼女の頭をくしゃくしゃっと撫でた。


「子ども扱い?」

そんな言葉が返ってきた。


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