傷だらけの僕等

変な人間

【Risako side】

目が覚めた時、あたしは見知らぬ男の部屋にいた。

「起き上っても大丈夫なのか?」

そう声をかけられたことによって、あたしは我に返った。

『今すぐ出ていかなきゃ…!!』

そんな気持ちだけが先行する。

思いのほか力の入らない足に無理やり力を込めて、あたしは玄関を目指した。

なのに後ろから腕を掴まれ…


「待て!!そんなに熱があるのに、ここを出てどこにいくんだよ!?」


無意識のうちに体がびくつく。

そんなに強く掴まれたわけじゃない。

むしろ…あたしを気遣って優しかったとも言える。

それなのに…あたしの体は急激に硬直した。

人間に触られると、もうあたしの意思とは関係なく強張る。

こんな癖がついてからもう3年くらいは経つと思う。

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