傷だらけの僕等
「聡。」

「ん。よく出来ました。」


俺は彼女の頭を撫でた。

そしておでこにキスをした。


「なっ…なに…?」

「何って…ご褒美のちゅー?」

「いらない!!」


真っ赤な顔で彼女はそう叫ぶ。


「んな真っ赤な顔でそう言ったって何の説得力もないんですけど…
それともこっちが良かった?」

そう言って俺は彼女の唇を指差した。

「いらないってば!!」

「はいはい。じょーだんだって。」



こんな生活が続くのも悪くない。

ふとそんなことを思う。

< 290 / 317 >

この作品をシェア

pagetop