傷だらけの僕等
* * *

「真ー!!」

「おう。おめでとう。」

「ありがとう。」

「なんか…妙な違和感あるな、その格好。」

「まぁ…自分でもそう思う。」


んだよ。
だんだん顔が緩んできてるなこいつ。
もうおっさん…。

美智とのことがあってから、こいつは一時的に全ての感情を失ったみたくなった。
少し精神的に回復した後も、笑顔だけはなんだかぎこちなかったのを覚えてる。

そんなやつがこんなに優しく笑えるようになるんだもんな。
恋愛ってすげぇ。



「どうしたんだよ?ぼーっとして。」

「昔を思い出してた。」

「昔?」

「おお。
時間は人を変えるんだなって。
お前見てるとそう思う。」

「はぁ?んな変わってないだろ俺?」

「お前だけじゃねーな。変わったのは。」

「え?」

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