傷だらけの僕等
メモをポケットに突っ込んでから、あたしはソファーに縮こまっていた。
あんなもの…入れても迷惑かもしれないのに。
そんな考えばかりが頭の中に浮かぶ。

皿洗いが終わってまたソファーに近づいてくる。

あたしはこの人の真意を探ってた。
でも、どんなに聞いてもあたしが思ってるような答えは返ってこなかった。


『じゃああたし、何もしないでここにいてもいいの?』

「ああ。」

あまりにも即答で、何の迷いもなく言うからあたしの方が驚いた。

でも、この言葉であたしの警戒心は解けた。
正確に言えば、『解け始めた』
完全に信用したわけじゃなかった。
だけど…『信じてみたい』気がした。


「聞いてないから聞いたんだよ。」

どうやらあたしは名前を名乗っていなかったみたい。

『理沙子』

「りさこ…で合ってるよな?」

それ以外、読み方無くない?

「俺は名乗ったよな?」

名乗ったよ。
あなたの名前は
『宮園聡』
絶対忘れない。

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