イケメン倶楽部
聖蘭祭も終わって、帰宅途中。
結局先輩の仕事姿は見れなかった。
半ば強制的に外へと連れ出されて、まだこれから盛り上がると思う時間に帰る羽目になって
あたしは少し拗ねながらも、前を歩いている先輩の姿を走って追った。
「せん…」
“先輩。”
そう声をかけようとした。
ただそれだけなのに、あたしの口から漏れたのは荒い呼吸だけだった。
“待ってたわ。”
いかにもそんな態度で、家の門の前に立っている。
170近くあるのだろうか
黒い髪が風になびかれて、なんとも言えない色気を出している。
まるでモデルのような体形。
すらりと伸びた足に短めのスカートが良く似合っている。
この人は一体誰なんだろう?
そんなこと聞くまでもなく、次の瞬間でわかった。