甘味処
どれくらい泣いたんだろう...。
そんな長い時間、宙はなにも言わずに黙って抱きしめてくれてた。






「ッぁ...ありがと...宙。」




そういえばあたしって泣いてなかったな...。
なんか今一生分泣いた気がする。




「本当に?もう泣かなくて大丈夫?」





どこまでも心配してくれるんだね。
朱夏にも宙にも心配ばっかかけて...。





「うんッ!だいじょうぶ!本当にありがと!」




「...叶愛。俺に話して?俺ら親友で家族で幼馴染だろ?」





朱夏も言ってた言葉。





「...宙」





「俺...そんなしんどそうな叶愛、みたくねーよ。」







言ってもいいのかな...
これ以上みんなに甘えていいのかな...










あたしは言う資格あるのかな..







「叶愛。」






ごめんね...




やっぱりあたし弱いから...














「あのね...宙、あたし5日くらい前から...」









いじめのこと...星桜とのこと...





あたしは、すべてを宙に話した。
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