ラブ☆ヴォイス
「つーかチビはそろそろ寝る時間だろ?早く寝ねぇと背、伸びねぇぞ。」
「…もう今更伸びませんっ!」
「分かってんじゃねーか。」
「もー!あっくんのバカっ!おやすみっ!お仕事頑張って!」
「後半二つはキレながら言うセリフじゃねーだろ…。」
「へ…?」

 突然の沈黙。これは言い直せということ?そう思った唯は小さく深呼吸して、心を落ち着かせる。


「…おやすみなさい。お仕事頑張ってね。」
「ちゃんと言えんじゃねーか。」
「おっ…大人ですから。」
「はいはい。」

 もう!全然ちゃんと聞いてないし!

「んじゃ、おやすみ。」

 ちょ…ちょっと待って。何なの今の甘さ…耳の奥が溶けそうだ。今携帯から聞こえるのは無機質な機械音だけなのに、耳に残る余韻が機械音なんかを聞こえなくさせる。最後の最後に優しい声で囁くなんて…ずるい。

「今日絶対寝れない…。」

 そう呟いて、唯はベッドにごろんと横になった。もちろん携帯を抱きしめて。
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