ラブ☆ヴォイス
プルルルル…プルルルル…

「…なんだよ。」
「わわ!出た!」
「出るだろ、電話来たんだから。で、なんだよ?」
「あ、あのねっ!あっくんのお家ってことはご飯どうするのかなって思って。」
「あー…タツがなんか奢るんじゃねーか。ちょっと待て。おいタツ!」

 電話の向こう側のやり取りが少し聞こえる。

「はぁ?こいつの料理が食いたい?バカかてめぇは?お前が一緒にメシとかっつってるくせに作らせんのか?」
「あ、あたしは全然作ってもいいよ?」
「…別に無理しなくていいぞ?」
「別に無理してないもん!そっちの方がお金かかんないし、リクエストあればどうぞ。」
「タツ、こいつ作るって。」
「ホントー?唯ちゃん!」
「うわぁ!達也さんっ!」

 いきなり電話の相手があっくんから達也に変わった。テンションの違い、そして声のトーンの違いに驚いてしまう。

「じゃあねー…パスタ!ソースはお任せで。」
「あ、はい!分かりました!」
「お酒は買っておくからね?」
「へっ?」
「あ、パスタ自体はあるみたいだからソースだけお願い!」
「分かりました。」
「唯ちゃん。」
「はい?」

 達也の声が少しだけ落ち着いたものに変わった。
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