ラブ☆ヴォイス
「気になってたみたいよ、唯のこと。」
「…そっか…。大丈夫ですって言いに行かなきゃ。」
「その顔で大丈夫って言われても、信じてくれないと思うけど。」
「…そ…そうだよね…。」
「ねぇ、唯。」
「なに?」
「別にあたしも空野達也も唯から大丈夫って言葉が欲しいわけじゃないわよ?」
「え…?」
「悩むべき時は色んな人の胸なり肩なり借りて、泣いてでも悩むべきなのよ。そこで残った想いが本物。唯は今、それを見つけなくちゃいけないんじゃない?」
「残った想い…。」

 確かに今、心の中はぐちゃぐちゃだ。何をどうやって、そして誰に言えばいいのか分からない。

「御堂明博をどう想ってるのか、今…唯の気持ちがどこに向いているのかちゃんと確認しな。その上で光への答え出さないと、光にすっごい怒られるからね。」
「うぅ…分かってるよぅ…。」
「というわけで考えるためにもまずはご飯!行くよ?」
「う…うんっ!」

 華に腕を掴まれて、唯はホテルのレストランへと向かった。
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