ラブ☆ヴォイス
「じゃあなんで…。」
「あのね、だってあたし今まであっくんのことはテレビか雑誌越しでしか見たことなかったんだよ?イメージなんて本当にイメージじゃん。だからあたしは、こうやって近付いて、あたしの中の知らないあっくんが知ってるあっくんに塗り替えられていくのがすごく…すごく嬉しかった。だから、めげないとかそんなんじゃなくて…あっくんのそばにいることで色んなあっくんの顔が見れることがただ嬉しかったの。知れば知るほど、好きだなって思ったの。」

 かぁーっと熱くなる。さっきかなりちゃんと告白したのに、もっと自分の素直な感情をぶつけるのって…結構恥ずかしい…。

「…ヘンな奴だよな、お前って。」
「あっくんだって屈折しすぎだもん!いっつもなんでもできて弱味なんか見せなかったくせに、ホントはすっごい大きな闇みたいなの抱えててさっ…!」
「…なんでお前に話せちゃったんだろうな…本当に。」
「え…?」

 思わず振り返った。そこには、優しく微笑むあっくんがいる。その表情に、ドクンと心臓が一度だけ高鳴った。

「…っ…!」
「顔、真っ赤。」
「あっくんのこと、大好きだからしょーがないのっ!」

 もうどうにでもなれ!そんな気持ちで言った言葉だったのに、あっくんの顔も少しだけ頬が赤い。

「え…?」
「だーからもう…分かったっつの。お前には負ける、マジで。」
「へ…?」
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