ラブ☆ヴォイス

これで安心だよ

＊　＊　＊

「ほぉー…なるほど。これでようやく無事にくっついた、と。意地っ張りだったのは御堂の方…だったね。」
「うるせぇよ。」

　ハニメロの収録の休憩時間。突っ込まれるだろうとは思ったけど、こうあからさまに突っ込んでくるところが達也らしいと言えば達也らしい。

「唯ちゃんをいっぱい傷付けたんだからちゃんと大事にしないと、だね。」
「…分かってる。」
「あれ、やけに素直…。」
「傷付けたのは事実だからな。」
「…そっか。でも、これで安心だよ。」
「安心？なんでお前が安心するんだよ？」
「えーこれでも御堂が真っ当な恋愛出来るようになればいいなって心から願ってたんだよ？」
「胡散臭ぇ。」
「ひでー！つーか最低！」
「…いや、…悪かったな色々と。迷惑かけた。」
「…今日の御堂、起伏が激しくてついていけないんだけど…。」
「礼を言う時はちゃんと言う。それだけだ。」
「なんか、ホント安心した、かも。」
「…俺も、どっかで安心してる。」
「え？」

　どこかで、安心しているのは頭でも心でもわかっていた。

「恋なんてもうしない、できないって思ってたから。…でも、いつの間にか育つ気持ちもあるんだな。
屈折しまくって歪んでるって思ってたけど、あんなにも真っすぐ…本当に信じられないくらいストレートに想いぶつけられ続けるとさ…。」
「そこが唯ちゃんの強さだからねー…。御堂に突き離されても、ちゃんと自分で立ち直って答え、導き出したからね。」

　とても穏やかな声で達也がそう言った。その声に、明博も自然と穏やかな気持ちになる。
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