ラブ☆ヴォイス
しばらくの沈黙。その沈黙を割ったのはあっくん。


「でもちょっとお前が可愛すぎて、壊しちまいそうだったから…あの場はとりあえず逃げた。無理。お前、俺のこと優しいとか思ってるのかもしんねーけど実際そうでもねーから。結局我を通してお前のこと抱いたし。」

「そっ…それはそうだけどっ…でも嫌じゃなかったしっ…!」

「…ったくそういうのが…ってお前に言っても無駄だった。
とりあえずメシ終わるまで可愛いことすんな。分かったか?」

「えぇ?可愛いことなんてしてないよあたし!」

「うるさい!なんかお前、付き合いだした途端に可愛さ爆発してんだぞ!?分かってんのか!?無駄に俺に爆弾落とすな!」

「ば、爆弾なんて持ってないよ!」

「無自覚なところがタチ悪ぃんだよお前。」

「えぇ~!?」


あたしの不満気な声を完全に無視してキッチンに戻るあっくん。
ほんの10分後にはホカホカのトーストにコーヒー、そしてスクランブルエッグが出来上がった。


「お前の。」

「ありがとう!あっくんの淹れてくれるコーヒー、大好き!」

「お前はミルク2つだよな。」

「うんっ!」


あたしの嗜好を当たり前みたいにいつの間にか分かってくれて、ベストなタイミングで渡してくれる。
…当たり前みたいなことが当たり前になるくらい一緒にいられたってことがただ単純に嬉しくてつい笑顔になる。


「…どうした?」

「え?あ、えっと、すごくすごく幸せだなーって思って。」

「あ?」

「あたしがあっくんに染まって、あっくんがあたしに染まっていくのが嬉しいの。」

「…だからお前は…。まぁいいや。今日、天気いいし、どっか出掛けるか?」

「えっ、デート?」

「デート。」

「うんっ!あたしね、行きたい水族館があるの!連れてって!」

「まーた水族館かよ。」


*fin*

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