ラブ☆ヴォイス
「…ってよくないな。俺が落ち着かない。」
「え?」
「俺がいないと寂しくて泣いちゃうお前が可愛すぎて、あんなキスじゃ全然足りない。」
「なっ、何言って…!」

 さらりとそんな恥ずかしいことを言うあっくんに唯の方はというと真っ赤な顔を晒すしかない。

「お疲れ様のちゅーでもしてもらおうかな。」
「へっ?」
「あと、結構今回疲れたし、背中流してもらいたいなー。」
「お風呂!?」
「あとは…ベッドの上で色々癒してもらうのは当然だろ?」
「っ…な何を!」
「なーに変な想像してんだよ。まぁお前がいいならしたいけど。」
「っ…疲れてるんでしょ?」
「そうだけど。だからこそお前で癒したいっつってんじゃん。」

 そう言うとあっくんの唇がもう一度軽く、唯のものに触れた。

「抱き枕にして寝るよ。3日間、俺も物足りなくて寂しかったからな。お前の香りがないと眠った時の疲労回復度が半分以下ってことに気付いた。そういう意味でも疲れた。」
「…あっくん…。」

 唯はゆっくりとあっくんに手を伸ばした。そのまま背中に手を回して抱きしめると、あっくんが深く深呼吸する音が耳元で聞こえた。あっくんの頭が唯の肩におりてくる。

「はー…癒される。抱きしめ心地も抱き心地も最高。」
「なんでその二つわけるの!」
「どっちも本当のことだからな。」

 首筋に柔らかいものが当たったと思えば、耳元でちゅっと甘い音が残る。

「ちょっ!あっくん!」
「なんだよ、別に痕は残してねーって。」
「そういう問題じゃない!あっくん疲れてるんでしょ?早く休まないと…。」
「…そうだな、んじゃまずは…。」
「…?」
「唯のキスとお風呂、いただきます。」
「なっ、ばっ、バカー!」

*fin*
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