-短編集-『泡雪』



『今、札幌に戻ってる。一度会ってきちんと話せないか』

一月の終わりにきた、哲哉からのメールは、

いつまでも彼を引きずり、彼の姿を街に探し続けた私にとって、

待ち焦がれていた内容だった。



−−断るわけない。
断れない。

彼に、会いたい。



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