-短編集-『泡雪』


それなのに。

首ではなく彼女の頭が、真っ白な罪に埋もれていく。

いくら絞めても、

頭と肩が、雪に静かに吸い込まれていく。

僕の膝も、

彼女の腰も、

何かに支えられているようにしっかりとここにあるのに


笑顔が雪で罪で、

覆い隠れていく。


――待って、行かないで!!

僕が、追いかけるように強さを増すと、更に沈み、

彼女の白い息も、氷に変わる。


――吹雪だ。



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