-短編集-『泡雪』
二人が、永遠の冬に閉じ込められることで

彼女には春が。

季節は巡り、人は生きていれば、変化していける。



そうだ、こいつらのように、



終わらせることが二人の始まりだと、
いくら叫んでも、誰も許さない。


季節は移り変わり、
冬が去り、
春が、
夏が、

記憶を風化し、時間の流れに、痛みが押し流されても、


俺は、叫ぶ。


裏切り者に、罰を。
死には、孤独を。

二人を別の墓に押し込み、
俺は笑う。



< 74 / 118 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop