-短編集-『泡雪』


駅まで、バスに乗っていくのは、すぐにあきらめた。

もうダイヤがめちゃくちゃなのは、道路を見てすぐにわかる。

大・渋滞。

すごい速さでワイパーがゆれる車の流れ。

そして、流れない車の、流れ。


どの車を見ても、白。

あっちも、白。

こっちも、白。

たまに、車庫から出したばかりの車なのか、

色は分かっても、



窓ガラスが白。


どの人も、無表情。





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