維新なんてクソ食らえ後始末が大変でしょ。浅木の巻
第弐幕
数日後


浅木が診療所の玄関先で草履を脱ぎ終わるとすぐ、戸板に縛り付けられた患者が運ばれてきた。


患者を診た浅木は判断に迷った。


「先生」


浅木は良庵に顔を向けた。


「これは、アヘンだな。とにかく毒が抜けるまで縛り付けておくしかないな」


患者を戸板からおろすと、診療所の柱に縛りつけた。


一息入れていると、診療所に女が駆け込んできた。


「先生。うちのが暴れて大変なんです」

良庵は浅木に往診して患者を連れてくるように指示した。




二時間ほどして、浅木が目の周りに青あざをつくって、先ほどの女と両脇を抱えた男が戻ってきた。

「これは、ひどかったな。早く奥へ」


良庵は患者を奥の部屋に寝かせるように指示すると治療にとりかかった。


良庵の隣で治療を手伝いながら、浅木が言った。


「先生。これで二人目ですよ。こんなに続くものですか」


「この街にも誰か薬の売人がいるんじゃろうな。昔の将軍様のお膝元でこんなことは起きなかったがの」


と、良庵は眉間にしわを寄せて言った。

一通りの治療が済むと、良庵はいつもの往診に出かけていった。
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